11年6月3日に公立校の教職員に君が代の起立斉唱を義務付ける全国初の条例を制定。翌年4月には「同一の職務命令に3回違反した場合、公務員の資質を欠くとして分限免職とする」とした「府職員基本条例」が施行された。

M教諭は3年生の担任だった13年月の卒業式で起立斉唱を拒否した。前の席の教頭だけが振り返り、式は混乱なく終わった。生徒たちには前日、自身の 信念を伝えていた。「君が代を強制することは、天皇の権威を利用した愛国心の強制だと思う。法治主義とはいえ、間違っていると気づいた者が声を上げないと 正せない」。後日、M教諭は府教委から戒告処分を受けた。

M教諭は広島出身で、父が被ばくした被ばく2世。教員を目指すきっかけになったのが、学生時代に参加した「アジア学生会議」。会場のエレベーターに 「日本人は使うな」と英語で書かれた張り紙が貼られ、激しい反日感情に衝撃を受けた。中学や高校の歴史の授業では教えられなかった歴史事実に初めて触れ た。

「公立学校の教員は憲法を遵守することを宣言しています。思想信条の自由、信教の自由に反し、外国にルーツを持つ生徒や保護者に同化を迫るような教育を変えさせることが教育公務員の義務だと思っています」と反論するM教諭。こうも言い添えた。
「卒業を祝う場である卒業式が処分の場になってしまいました。まさに本末転倒です」。

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