2012年に大阪市で開かれた人気音楽グループ「エグザイル」のコンサート会場で発生した落雷による死亡事故について3月に、アイ・アジアが報じた記事が 波紋を広げているようだ。会場となった長居公園には、雷に注意するよう伝える立て看板が立てられた。しかし、その記述を見て驚愕したのは、外ならぬ遺族 だった。(アイ・アジア編集部

長居公園(大阪市)に設置されている看板(撮影:鈴木祐太)

長居公園(大阪市)に設置されている看板(撮影:鈴木祐太)

大阪市東住吉区にある長居公園。世界陸上も開かれた大阪を代表するスポーツ会場だ。ここで4年前に落雷事故死が起きたことは、3月15日のアイ・アジアの報道で知られるところとなった。記事が出た後、花をたむける人の姿が見られるようになった。
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事故が起きたのは2012年8月18日。人気グループ「エグザイル(EXILE)」や「三代目 ジェイ・ソウル・ブラザーズ(三代目J Soul Brothers)」などが出演する「エイ・ネーション2012(a-nation 2012)」のコンサートが予定され、多くの人が長居スタジアムに来ていた。その一人であった岩永牧子さん(福岡県北九州市)とその友人が、スタジアムが ある公園内で落雷に遭いその後死亡した。

今、公園には落雷への注意を呼び掛けた看板が立てられている。競技場の管理主体である大阪市の外郭団体である長居パークセンターが立てたものだ。そこには以下のように書かれている。

「雷の音が聞こえたら逃げてください」
「雷の光が見えたら逃げてください」
「木の下は危険です」
「すぐに近くにある建物の中に逃げてください」

これを見て、驚愕したのは被害者の母親の岩永和子さんだ。

「この看板が役に立つとは思えない。あの落雷の中、看板を見ても全員が避難できる場所がないので仕方がなく木の下にいたと思う。全員が逃げられる避 難場所を確保し、そこに誘導する放送が公園内にいる全員に届くスピーカーをつけてほしい。こんな悲しみは私の家族だけで十分。何よりも命が大事なので、そ のための最善の策を講じてほしい。」

前回の記事で取材に応じてくれた、事故当時に現場にいた48歳の男性は次のように補足した。

「牧子さんが死亡した場所の近くにトイレがあるんですが、そこはもう満杯で人が入れない状態でした。だから私は濡れて帰ったんです。私はジョギング 姿だったし、近くに住んでいますからそれが可能だったわけで、遠くからコンサートを見に来た人は、トイレには入れなきゃ木の下で雨をしのぐしかないでしょ う。こんな看板を立てるなら、雨宿りができる建物を作ればいいんです」

この看板についての長居パークセンターの説明は要領を得ないものだった。

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