◆もんじゅ専用の再処理工場RETFの存在
もんじゅは停止していても年間200億円の維持費がかかる。そして、無駄遣いの象徴のようにマスメディアで取り上げられたのが、もんじゅ用の核燃料輸送船とされた「開栄丸」であった。停泊しているだけで年間12億円もの費用がかかっているということでやり玉に挙がったが、この船はもんじゅ専用というわけではない。もんじゅに直接関連する施設としては茨城県東海村に建設中の「リサイクル機器試験施設(以下、RETF)」がある。その名称から、どのような施設なのかわかりづらいが、RETFはもんじゅ専用の再処理工場なのだ。

RETFは1955年に着工し、2000年に第1期工事が終わり建物部分が完成している。これまでに800億円余りが支出され、総工費は1200億円とも言われる施設だ。もんじゅの廃炉という方針の決定の中で、実はこのRETFについては、明確な方針が示されていない。

しかも、国は新たな高速炉の開発方針を策定することを決めており、核燃料サイクル政策の維持に固執している。エネルギー政策的にはほぼ意味のなくなった核燃料サイクルにこだわり、RETFの存続が不明である理由はなぜか。

◆もんじゅで生み出されるプルトニウム~核兵器の転用が容易
それは、元京都大学 原子炉実験所講師の小林圭二さんたちが、これまで再三にわたって指摘してきた、日本の核オプションのためとしか考えられない。つまり、日本は容易に核兵器に転用できるプルトニウムを保持し続けたいのである。

プルトニウムは国際的にも非常に厳しい監視の対象となっている物質。これまでの再処理などによって、日本は50トン近いプルトニウムを保有しており、これを確実に「発電用の燃料」として使用することが義務づけられている。もんじゅはその意味でも要の施設であった。現在、軽水炉でウラン燃料にプルトニウムを混ぜて燃焼させるプルサーマルによる消費が唯一の手段であるが、その消費量は微々たるものだ。これ以上、プルトニウムを生み出す必要性はどこにもない。

さらに、もんじゅで生み出されるプルトニウムは、核兵器への転用が容易である高純度であることは見逃せない。軽水炉でもプルトニウムは生み出されるが、核兵器に使用するプルトニウム239の純度は低い。しかし、「もんじゅ」では純度96パーセント以上のプルトニウムを「生産」可能で、試運転段階で60キロ程度生み出されたという試算もある。これを使用済み核燃料から取り出すための施設がRETFなのだ。

「夢の原子炉」が破綻した今、日本で発電のため(エネルギー政策のため)に高純度のプルトニウムを取り出す必要性は全くない。

また、高速炉開発や核燃料サイクル政策の維持は当面、エネルギー政策にほとんど寄与することはなく、むしろプルトニウムの備蓄によって国際社会から厳しい批判の目を注がれるだけになる。私たちは今後、そのことをきちんと見極めて、政府が決定する方針をチェックしていかなければならない。【新聞うずみ火/伊藤宏】

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