(参考写真)金正恩氏への絶対忠誠を求める住民集会の様子。2013年6月北部地域にて撮影

 

朝鮮中央通信は5月5日、米国の中央情報局(CIA)と韓国の国家情報院が、金正恩氏(最高首脳部)を狙った生物・化学物質によるテロを計画、未然に摘発したとする、国家保衛省(秘密警察)スポークスマンの声明を伝えた。その全文を掲載する(石丸次郎)。

朝鮮国家保衛省のスポークスマンは5日、次のような声明を発表した。

チュチェ革命偉業の最後の勝利を目指して疾風のごとく突き進むわが共和国の勇ましい気概にびっくり仰天した敵対勢力の最後のあがきが極に達してすでにその限界を超えている。

米帝とかいらい軍部好戦狂らがわれわれの門前でヒステリックに繰り広げているいわゆる「斬首作戦」だの、「先制攻撃」だのというヒステリーは表に表われた一部にすぎない。

この世の悪の本山である米中央情報局(CIA)と南朝鮮の「国家情報院」が陰地に閉じこもってあえてわれわれの最高の首脳部を害するために働いている卑劣な陰謀行為はわれわれの敷居を越えてごく重大な段階で実行に移されている。

最近、CIAとかいらい国家情報院がわれわれの最高の首脳部を相手に生物・化学物質による国家テロを強行する目的の下で暗々裏にち密に準備してわが内部に浸透させた極悪非道なテロ犯罪一党が摘発された。

CIAと共謀、結託したかいらい国家情報院の殺人悪魔らは2014年6月、当時、ロシア駐在ハバロフスク辺境林業支部労働者であったわが共和国公民のキム某を思想的に変質、堕落させて買収した後、われわれの最高の首脳部に対する反感と復しゅうの念がいっぱいのテロ犯に変身させた。

そして、醜悪な人間のくずキム某が帰国すれば錦繍山太陽宮殿の行事と閲兵式および市民パレードの際、われわれの最高の首脳部を狙った爆弾テロを強行することに関する謀議をこらした。

ことさら、最高の首脳部の近くに接近しなくても放射性物質やナノ形の毒物のような生物・化学物質を利用した暗殺方法が最高の方法であり、6カ月、あるいは1年後には致命的結果が表れるということ、たった一件の正確な情報だけを手にしてもCIAと協力して生物・化学物質を添加することができるということ、テロ用の生物・化学物質の組成成分についてはCIAだけが知っており、生産も彼らだけができるということ、首脳部テロに必要な装備と物資、資金は「国家情報院」が全的に保障するということ、などの具体的な指令を与え、2度にわたって2万ドルの資金と衛星送受信機器を手渡し、それに熟達させた。

しまいには、首脳部テロに関連する秘密を絶対的に守ってやるという「国家情報院」の保証を与えるとともに、任務を遂行できない場合、家族も無事ではないという懐柔と脅迫まで加えてわが内部に浸透させた。
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