森友問題の火付け役となった木村真・豊中市議会議員(写真)は「疑惑」に気づいた経緯について話した。(8月・大阪市内にて撮影・新聞うずみ火)

 

4月に大阪・豊中市に開校するはずだった学校法人森友学園「瑞穂の国記念小学院」。2月に国有地格安払下げ問題が浮上、大阪地検特捜部は7月31日、籠池泰典前理事長と妻を国の補助金約5600万円をだまし取ったとして詐欺の疑いで逮捕した(8月21日に大阪府の補助金約9200万円をだまし取ったなどとして詐欺などの疑いで再逮捕)。だが問題の核心はそこなのか。森友問題の火付け役となった豊中市議会議員の木村真さんに語ってもらった。(栗原佳子・新聞うずみ火)

「疑惑」に気づいた経緯

木村市議:
森友学園が小学校を建設していたのは、もともと豊中市が泣く泣く買うのを諦めた土地。その意味で、私たち市民にとって誰が買って何になるのか気になる土地だった。

道路を挟んで公園があるが、もともとは森友側の土地と一体の国有地。なぜ広い土地があったかというと、伊丹空港の着陸コースの真下にあり、国の空港対策として立ち退きが進められたからだ。土地がだんだん虫食い状態になるので、市は換地して集約するという密集市街地の区画整理を進めた。国は空港対策、市は市街地整備ということで実質的には一体となり、1970年代から20年がかりで事業を進めてきた。

その過程で、市は国有地の無償貸与を受け、公園を作りたいと希望した。住民に移転を求めるときに公園の完成予想図を載せたパンフも示している。実質的には担当者レベルで話がまとまっていたのではないか。

しかし、2000年代に入ると、国は「使いたいなら買ってくれ」と言い出した。08年には最後通牒のように「10年までに買ってくれ、そうでない場合は転売する」と。

公園になった土地は約9400平方メートル。市は10年に約14億円で買った。森友学園の方は8700平方メートル。あわせて25億円にもなる額を市は出せる状況になかった。ただ、住民へは公園になると説明していたので、道の片側だけを買った。市が買った土地の平米単価は15万円。これに対し、森友学園は10分の1の1万5000円。最初に1億3400万円という金額があり、それに合うよう土地鑑定評価を何度もやり直し、8億2000万円という値引き金額を出したと思う。
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