(参考写真)これは短期強制労働キャンプの「労働鍛錬隊」の収容者が、隊列を組んで労働現場に向かわされるところ。2005年6月咸鏡北道清津市にて撮影リ・ジュン(アジアプレス)

◆想像絶する「12号教化所」 まるで死の刑務所

全巨里教化所は中国国境から数十キロの山間にある。中国に越境して送還された人が多くて6割ほどを占めた。他に密輸や、禁じられている韓国ドラマのビデオを見た人、覚醒剤使用者もいたと言う。
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「収監棟に男が2000人、女は600人ぐらいいました。狭い部屋にぎゅうぎゅうに詰め込まれ寝返りも打てないほどでした。男は近くの銅鉱山の採掘や木工の仕事、女は木工とカツラ作り。生産品は中国に輸出するそうです。農作業もさせられました。女性収監者も殴られます。足を折られて不随になった人もいました。」

栄養失調と衛生状態の悪さで病気になる人が多く、ばたばたと人が死んだという証言には息を飲んだ。

「トウモロコシを丸ごとすり潰して固めたものが1食に150グラムほど出ましたが、重労働をさせられるのでおなかがすいて途方に暮れます。おかずはなくて塩汁だけ」

ウンスクさんによれば、看守がヘビやネズミを捕まえて煮たり焼いたりして食べるのを奨励していたそうだ。 収監者が死ぬと責任を問われかねないからだ。
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