全巨里刑務所の衛星写真。中央部が収容棟(グーグルアース)


◆「1日に3人は死んでいた…」

「3日に1度、男の囚人が死体を10体くらいまとめて荷車に載せて近くの山に運びます。死体は燃やして灰は捨ててしまいます。家族にも通告しません。伝染病と飢えで1日平均3人は死んでいたと思う。」

1日3人というと1年で1000人超だ。にわかに信じられず、ウンスクさんに何度も問い直したが、「本当です」と声を高くした。また、死人や出所者と入れ替わるように新たに人がどんどん送り込まれて来たという(ほぼ同様の内容を前出の韓国の2研究所が報告している)。
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数年の刑期を終えて釈放されたウンスクさんは半死半生の状態だったと、彼女の母親が伝えてきた。私たちとの通話の最後にウンスクさんはこう言った。

「私を韓国に連れて行ってもらえませんか? もうこの国には住めません」

金正恩時代になった今も、人権状況が改善された兆しはない。核兵器とミサイルのことばかりが注目されているが、隣国の民がひどく蹂躙されている現実にも関心を向けなければならないと思う。 なお、ウンスクさんの詳細な証言については、あらためて報告したい。
(石丸次郎)

※2017年7月25日付毎日新聞大阪版の記事に加筆修正しました。

※アシアプレスでは北朝鮮国内に中国の携帯電話を搬入して連絡を取り合っています。

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