韓国民主化運動は、社会を縛る冷戦の論理との闘いでもあった。写真は映画『弁護人』から。(C)2013 Next Entertainment World & Withus Film Co. Ltd. All Rights Reserved.

 韓国民主化運動から朝鮮戦争終結へという「必然」

4月27日、韓国の文在寅大統領と北朝鮮の金正恩国務委員長による南北首脳会談が行われた。会談では両者が「朝鮮戦争の終結」を目指すことで一致した。近く行われる予定の米朝首脳会談が成功すれば、この流れは加速する。

緊張が極度に高まっていた状況をここまで転換させた最大の立役者は、やはり韓国の文在寅大統領だろう。彼は複雑な国際政治の力学を解きほぐしながら、ともかくもここまでこぎつけた。米フォーチュン誌は先月、これを評価して、文在寅を「2018年の偉大なリーダー」の4位に選んでいる。

彼は貧しい家に育ち、苦学して大学に進み、民主化運動に身を投じて投獄され、その後、独学で司法試験に合格して弁護士となった。軍事独裁政権下の1980年代には、後に大統領となる盧武鉉とタッグを組んで人権派弁護士として活躍する。

つまり文在寅は民主化運動の流れに押し上げられた人物であり、韓国の人々の期待もそこにある。だとすれば、いま大きな展開を見せている文在寅政権の外交を理解するには、韓国民主化運動からの文脈を押さえる必要があるだろう。私は、そのキーワードは「分断体制」だと考える。
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