(参考写真)平壌では服装のみすぼらしい人は地下鉄に乗せない。外国人の目から隠すためだ。兵士によって女性が駅への入場を止められている。2011年6月 平壌市大城区域にて撮影ク・グァンホ(アジアプレス)

◆食糧配給も悪化「食べ物もくれない」

北朝鮮で唯一、地域として食糧配給制が維持されているのが平壌だ。他の地域は90年代に停止したままだ。その質と量は、時々で良くなったり悪くなったりするが、この5年間、職場や区域を通じて白米と雑穀が配給されていた。穀倉地帯の黄海南北道に、平壌市民対象の「首都米」を生産する農場が集中している。

取材に応じたビジネスマンは、
「3月はほとんどトウモロコシだけ、4月は中国に出て来るまでなかった。(制裁で)市場での商売が不振な上配給が悪くなり、『食べ物もまともにくれない』と不満を言う庶民層が増えた」と言う。

また、一昨年まで中国との貿易で羽振りがよかった貿易会社の社員らは、「経済制裁で中国への輸出が止まっているのに、会社から上納金を出せという圧力が強く悲鳴を上げている」とのことだ。

4月初旬に平壌で音楽公演を行った韓国芸術団に同行した韓国メディや、4月末からの連休期間に平壌を訪れた日本人研究者に聞くと、「夜も明かりは点いており電力難は感じなかった」という。この点について、親戚訪問で平壌から中国に来ていた人に尋ねると、

「外国人の観光客やメディアが入る期間は、平壌では『行事』と位置づけられて特別な準備をする。住民は、他人から服を借りてでも身なりを良くせよと指示される。『行事』の間は中心部に電気を通す」
と答えた。

今年に入り、地方都市では住民への電気供給がほとんど途絶えた「絶電地域」が広がっており、党や軍、警察などの重要機関と産業施設に振り向けられている。北朝鮮の中で優先順位の高い平壌でも電力事情が悪化している。(中国丹東市チョン・ホン / 石丸次郎)

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