震災障害者の交流会で言葉を交わす梅崎さん(写真左)と宮本さん(写真右)。二人を見守る牧理事長(写真上)(6月撮影・矢野宏)

阪神・淡路大震災、広島土砂災害、熊本地震 同じ境遇の人たちと出会うことの意義

 地震などの自然災害で心身に障害を負った「震災障害者」の交流会が6月上旬、神戸市中央区と兵庫県西宮市であり、阪神・淡路大震災と2014年の広島土砂災害、16年に発生した熊本地震の三つの被災地から後遺症を負った人が初めて集い、被災した時の様子、将来への不安を打ち明けた。(矢野宏・新聞うずみ火)

 震災障害者を支援している神戸市のNPO法人「よろず相談室」(牧秀一理事長)が交流を広げようと企画。広島や熊本では集う場がないため、神戸で初の集いの場を設けた。

 西宮市の新西宮ヨットハーバーで開かれた最終日、震災障害者やその家族、支援者も含めて33人が出席し、海辺のレストランで食事しながら交流を深めた。

 談笑の輪が広がる中に、熊本地震で右足を失った大学3年、梅崎世成(せな)さん(21)=福岡県大牟田市=の姿もあった。

164月に発生した熊本地震で熊本県南阿蘇村のアパートが倒壊。梅崎さんが寝ていた1階が崩れ、2階部分に押しつぶされた。右足に本棚が倒れてきたため身動きがとれず、救出されたのは6時間半後だった。「命があってよかった」と家族や友人は喜んでくれたが、さらなる悲劇が待っていた。

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