平壌を訪問した文大統領と金正恩氏。韓国大統領府発表写真

◆韓国への期待がしぼんでしまった…

韓国に対してはどうか? 4月27日の板門店での文―金首脳会談直後、幹部から庶民に至るまで、韓国に対する期待はピークに達した。ほとんどの声は、韓国から食糧などの支援や投資が入ってくるだろう、経済制裁が緩和に向かうだろうという経済に関する期待だった。

ところが、大型の食糧支援や投資などが国連安保理の経済制裁に抵触するため、簡単に実現しないことが次第にはっきりして、期待は失望に変わりつつある。

「やっぱり何も変わらない。文大統領が平壌に来たので、これで暮らしが良くなると思ったけれどだめだった。どうせこれからも庶民は貧しいままなのだろう」(両江道の都市部に住む協力者)

北部の中国に近い地域の住民の間では、韓国よりも中国に期待する声が高まっている。両江道で貿易業務に携わる取材協力者は次のように言う。

「韓国が何かしようとしても、結局は米国の承認なしにはできないことが分かった。貿易業者の間では、韓国の投資よりも中国との貿易が活性化されること期待している。なぜなら、南北間の貿易は国が直接やることになるので、私たち貿易業者に出番はなさそうだから。やはり中国による経済制裁が緩和されることを一番望んでいる」

◆北当局は文大統領と韓国への期待を警戒

南北融和の雰囲気が北朝鮮でも拡散する中で、北朝鮮当局は自国民の気持ちが韓国に傾くことを警戒している。市場では韓国製品の売買取り締まりが強化され、令状なしで家宅捜索を行って隠れて韓国ドラマを視聴してないか調査するということが頻繁に起こっている。

「職場や人民班の学習会や会議では、今でも『南の文在寅の輩たちが来たが、幻想持つな、期待するな、まだ敵だ』と教養している」
10月末に平壌から中国に出国してきたビジネスマンは、こう述べている。