5月9日の短距離ミサイル発射訓練を指導した金正恩氏。朝鮮中央通信より引用。

◆経済制裁緩和失敗の金正恩氏の権威挽回が狙いか

北朝鮮が短距離ミサイル発射訓練を行った5月9日の夜、中国遼寧省丹東市に駐在する北朝鮮の貿易商社員たちが、中国人の取引先を招待して「ミサイル発射祝賀パーティ」を開いていたと、米国の「自由アジア放送」(RFA)が13日伝えた。
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RFAは、パーティに参加した中国人貿易関係者の言葉を引用して次のような内容を伝えた。

「北朝鮮が短距離ミサイルを発射した9日の夜に、北朝鮮の貿易駐在員が中国人貿易関係者数人を招待し、賑やかな祝賀パーティを開いた。何を祝うための酒席かと尋ねると、『新たに開発したミサイルの試験発射の成功を祝うためだ』と言った。たいそう浮かれている様子が不思議だった。

北朝鮮の貿易駐在員たちは『今回、祖国(北朝鮮)は米国のやつらに、しっかり目にものを見せてやった』と拍手・歓呼していた。米国の圧殺政策のせいで国の事情は少し困難だが、決して米国に屈服しないのだと、叫んだ。

北朝鮮の駐在員たちは、金正恩氏の大胆な勇気を称賛する言葉を競うように話し、翌10日にも同様の酒宴が続けられたことから、ミサイル発射を祝う酒宴は駐在員たちが自発的に準備したものではなく、北朝鮮当局からの指示によるものに違いないだろう」

また、RFAは丹東市の別の関係者の言葉を紹介し、12日にも同様の酒宴が開かれたとしている。記事を執筆したキム・ジュノ記者は、長く中国で北朝鮮取材を続けてきたベテランだ。

RFAの記事が事実であれば、2月にハノイで開かれた朝米会談が物別れに終わり、制裁解除が不発に終わったことに失望が広がる中、北朝鮮政権が金正恩氏の権威挽回に注力していることが推測される。(カン・ジウォン)