中国公安当局が国境沿いに立てた密輸、麻薬売買禁止の看板。2017年7月に撮影石丸次郎

◆小学生まで服用か

北部の両江道恵山(ヘサン)市で、覚せい剤の常習者と売人合わせて20人を広場に立たせて糾弾する「公開暴露集会」が開かれた。
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恵山市に住む取材協力者によれば、「公開暴露集会」があったのは5月5日。午前10時に恵江洞(ヘガンドン)の恵山映画館前広場に、住民約200人が動員されて開かれたという。取材協力者は次のように伝える。

「引きずり出されたのは男4人と女16人で、すべて薬物関連犯罪者。その場で10人が5~10年の教化刑(懲役)を宣告され、残り10人は「労働鍛錬刑」になった。覚せい剤の密売・密輸をした者が教化刑になった」
※「労働鍛錬刑」=社会秩序を乱したとされる者を1年以下の短期強制労働キャンプに裁判なしで収容させる。

北朝鮮で覚せい剤などの薬物の蔓延していることは、以前から広く知られてきた。当局も厳しく取り締まって厳罰を科しているが一向に減る気配がなく、むしろ、最近は貧困層や少年まで薬物に手を染める者が増えているという。「公開糾弾集会」を開いたのは、業を煮やした当局が見せしめにするためだとして、協力者は次のように指摘する。

「背景には経済制裁による暮しの悪化があると思う。売人たちが、繰り返し買うように巧みに誘惑していることもあるが、最近は商売がうまくいかず、暮らしが苦しくなって辛さから薬物に手を染める人が多い。
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