旧庁舎解体をめぐり多数のアスベスト(石綿)の調査ミスが発覚しただけでなく、説明会で技術的な助言などをしてきたNGOなどの出席を拒否するなど不手際が続く大阪府守口市。説明会では市民から“差別的対応”に対しても意見が出ていた。(井部正之/アジアプレス)

5月15日の説明会当日、アスベストが飛散した可能性が高い不適正な工事があった現場のわき通る子どもたち。現場に説明会の案内はなかった(井部正之撮影)

◆市は当初から排除方針と説明

守口市は旧庁舎解体のアスベスト対策について、5月15日、3回目となる説明会を開催し、多数の調査ミスが存在していたことを公表した。市はこの説明会で住民の支援をしてきたNGOや被害者団体関係者ら市民以外の出席を突如拒否した。

市外からの通勤・通学者や何らかの理由で工事期間中に近隣を訪れてアスベストを吸ってしまったのではないかと心配している人であっても、「(対象を)市民に絞っている」ため、出席を認めないという差別的な対応だった。詳細は拙稿<大阪・守口市アスベスト>旧庁舎解体説明会で差別的対応 曝露心配する非市民を排除をご参照いただきたい。

説明会では今回の差別的対応について市民から異論が相次いだ。

現場の直近に住む今井奈保子さん(38歳)は、アスベスト被害者の支援や被害の発生防止に取り組むNGO「中皮腫・じん肺・アスベストセンター(名取雄司所長)」や被害者団体「中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会(平田忠男会長)」関係者らに対し、市が前日に説明会への出席を断ったことについて質した。

市財産活用課は「前回、前々回と(説明会を)やったが、近隣住民のかた、市の方を対象にしていた。そういいながらも前回(市外の人びとも)入っているじゃないか。色々なご意見をいただいて今回対応を検討した。その結果、厳格にやるべきとなった」と釈明した。

今井さんはアスベストセンターらの指摘により調査ミスが明らかになって再調査が実施され、多数の調査ミスが見つかった経緯を踏まえ、こう反論した。

「その方たちのおかげで(見落とされていた)新しいレベル1、2(建材の存在)もわかったわけですよね。(今回のように)クローズの状態だったら全部わからなかったはずですよ」

市は何も答えなかった。

さらに「厳格ってどういう意味ですか。何が厳格なんですか」と今井さんは追及したが、これにも市は回答しなかった。

ヤフーニュースやアジアプレス・ネットワークに5月23日掲載の拙稿〈守口市がアスベスト調査不十分認める市庁舎解体で誠意ない対応に住民反発〉で、説明会で「市の誠意のなさ」について、次のように述べていた住民の発言を紹介した。

「どうしてこうなっているかわかります? 誠意のなさですよ。いろんな要望出してものらりくらりとかわしてきた結果、みんな爆発してこうなった。誠意のなさなんです。それをどう取り戻すか。しっかり誠意を示すことしかないんですよ」
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