(参考写真)鴨緑江で洗濯する女性。電気洗濯機を使えるのは富裕層のみ。2017年7月中国側から撮影石丸次郎(アジアプレス)

 

北朝鮮の北部地域一帯で、住民地区に対する電気供給が好転していることが、アジアプレスの調査で分かった。昨年11月以降、広い範囲で住民地区への電力供給が麻痺し、都市によっては供給ゼロの「絶電」状態が続いていた。(カン・ジウォン/石丸次郎)

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アジアプレスでは、7月第2週に北部の両江道(リャンガンド)、咸鏡北道(ハムギョンプクド)と平壌市に住む協力者から住民地区の電力事情について聞いた。

会寧(フェリョン)市では、5月中旬から少しずつ好転し、現在、一日に4~6時間程度が供給されている。大体が2時間ずつに分けてで、土曜日は日中だけに6時間程の供給がある。「工業線」と呼ばれる産業用電気は、少なくとも一日に10時間の供給があるとのことだ。ただし、住宅用の電気は電圧が110ボルトと低く、変圧器を使わなくてはならない。

両江道の恵山(ヘサン)市でも、5月末から少しずつ改善され、7月初旬時点で平均して一日7時間、多い日は10時間程度が供給されている。
「ずっと三池淵(サムジヨン)観光特区建設に優先的に電気が投入されていたが、今は一時的に住民に回しているそうだ。変圧器の故障で、まったく電気が来ていない地区もある」と、協力者は述べた。住民たちは「やっと人間の暮しができると喜んでいる」とのことだ。

最優先で電気供給がある首都・平壌市では、「絶電」のようなことはなかったが、この半年間、庶民層の多い住民地区では1日に4~6時間程度しか電力供給なかったが、やはり5、6月から好転しているという。

「ほとんどの日が、晩8時から明け方の間の供給なので不便だが少しましになった。干ばつ対策で昼間は電力をポンプ稼働に回しているためだ」
と、平壌から中国に出国してきた協力者はいう。

電力事情が好転した理由は、協力者たちにも定かではないが、平壌の協力者は「中国が鴨緑江の水力発電所の電気を融通したという話を聞いた」と述べた。昨年も、北朝鮮は深刻な電力難に苦しんでいたが、やはり6~7月に突如好転した。当時、韓国の情報機関や専門家の中から、「鴨緑江の水豊ダムで生産する電力を北朝鮮に無償供給しため」との見方が出ていた。
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