北朝鮮地図 製作アジアプレス

◆死肉買い取って冷凍保存し闇販売

咸興(ハムン)市でも、市内と郊外でA豚コレラが拡がって個人が飼育している豚が続々死んでいる。しかし、防疫所をはじめとする国の機関は、まったく調査や消毒、防除作業をしておらず放置したままだという。豚が死んだら伝染病を理由に没収されてしまうため、飼育している住民たちは、死んでも、食肉処理して申告もしないまま販売している。平壌でも死んだ豚は、防疫所に30ドルさえ払えば許可証をもらえ販売することができるという。

咸興では、冷凍庫を持っている新興富裕層のトンチュたちが、死んだ豚の肉を安く買い取って冷凍保存して闇販売しているが、その量もどんどん少なくなっている。やはり警察と防疫所が、道路で流通を取り締まっているだけで、それも金を渡すと簡単に通過できる。検問で豚が見つかっても、どこの豚なのか、なぜ死んだのかさえも聞かれない有り様だという。

咸興を調査した協力者は次のように述べる。

「住民たちは、まだA豚コレラの深刻さをよく理解できていない。人には感染せず害はないからと、飼っている豚がもし死んだら、つぶして食べるか売らなければならない、という考えだ。少し知識がある人たちは豚を隔離して育てているが、防疫といっても床に木材を敷く程度だ。中には、豚がたくさん死ねば子豚でも金塊の価格になるからと、隔離を徹底して育てている家もある」