莉菜さんは熊本に行って防災ボランティアとしても活動した。京都府内で撮影鈴木祐太

◆防災ボランティアで頑張る

――今、頑張っていることは何ですか?
莉菜 「防災ボランティアをやっています。東日本大震災の経験者として何か伝えられることはないかと思って始めました。今年の夏は熊本県の益城町に行って話をしてきました。益城町の人を支援するとかではなくて、熊本の教訓を関西で生かせることはないかと考えています。南海トラフの地震がいつ起こるかわかりません。いつか起こる地震のために周りの人には防災意識をつけてもらいたいし、体験したことを伝えていきたいと思っています」

「私にとって、3.11というのは、原発の問題より地震という方が強いので地震に対する防災に重点をおいています。」

――将来の夢は何ですか?
莉菜 「将来は学校の先生になりたいです。大学は通いやすい関西を考えていて福島に帰ることは考えていません」

――福島の友達とは原発や放射能の話はしますか?
莉菜 「傷口をえぐるようなことになるので、福島の友達とは原発や放射能の話はしたことはないです。放射能の影響が出るかもしれないと思って心配になることもあるけれど、その子が自分でどうにかできるという問題ではないと思っています。もし、健康に関して話をして『私も危険だと思っている』と言われても、私がどうすることもできないので『ごめん」としか言えないと思っています」

莉菜さんはどこにでもいる普通の女子高生。しかし、小学校2年生の時体験した東日本大震災の経験を伝えるために、自分にやれることをやろうとしていた。「3.11を風化させてはいけない」と語ってくれたが、彼女の中で3.11は今後も風化することはないだろう。

インタビューをさせてもらった後、彼女は夢を叶えるため塾に急いで向かった。

◆避難者が国と東電相手に各地で訴訟

莉菜さんの母親は、避難を余儀なくさせられた原因となった福島第一原発事故の責任を問うため、国と東京電力に対して原発賠償訴訟を起こしている。次回の京都原発賠償訴訟は、2月26日14時半から大阪高裁で開かれる。また、兵庫県に避難した人たちが起こした兵庫原発賠償訴訟は3月5日14時から神戸地裁で開かれる。全国で国と東京電力に対して裁判が起こされている。

2020年1月14日現在、約4万8000人が全国47都道府県980の自治体(復興庁発表)で避難生活を続けている。復興庁が把握できていない人を含めると避難者数はさらに多くなるだろう。