(参考写真)平壌市のデソンサン区域の路上で商売する女性たち。外国人の訪問があると立ち退かされる。2011年7月に撮影ク・グァンホ(アジアプレス)

◆ついに当局が市場米価に介入・取り締まり

コロナウイルスの流入を遮断するために、金正恩政権が中国国境を封鎖した影響が拡大している。物価の高騰、売り惜しみが止まらず、ついに当局が市場の米価を監視・介入する事態にまで及んでいる。平壌でも物資不足に対する恐怖心が拡がっている。(カン・ジウォン)

国境封鎖が長期化することへの不安から、中国産品だけでなくコメまで値上がりしている現状について、中国との通商口がある北部の両江道恵山(ヘサン)市の取材協力者は、3日、次のように伝えてきた。

「商売人たちは国境封鎖が長期化すると予想して、毎日値段をつり上げている。昨年末に1キロ3.6中国元程度だったコメが4.5元に上昇して、ついに『非社会主義グルパ』が動員されて、(コメを扱う)会社の倉庫、糧政倉庫(配給用食糧の保管場所)、市場のコメ商売人などのもとを回り、買い占めの取り締まりを始めた。白米の販売価格の上限を4.5元に設定し、それより高値で販売した場合は、無条件に没収すると通達した」(1元は約15.6円)
※「非社会主義グルパ」とは、社会主義の秩序を乱す行為を取り締まる専門組織のこと。

当局による米価の監視統制に対し、商人たちは「自分の所有するものなのだから、売ろうが売るまいが勝手にする」と強気の態度で、一方、貧しい庶民は歓迎しているという。

北朝鮮では、食糧配給制はほぼ崩壊しており、国民の大半は、現金でコメ、トウモロコシなどの主食を市場で購入している。市場の商売人に食糧を卸売りする会社が各地に存在する。

◆平壌はさらに高騰

中国との国境地帯は、それでも中国製品の在庫があるため、状況はましなようだ。協力者に平壌の市場動向を調べてもらうと、4日時点で、白米は5元に上昇。35元だった中国産の食用大豆油5キロは、恵山市では65元に上がったが、平壌では80元にまで急騰していた。

「平壌でも保安機関が米価の監視と取り締まりをしている。平壌市民の間でも物不足に対する恐怖心が高まっている」と、この協力者は伝える。

別の協力者によれば、4日時点で、国境都市から出る物流車両や人員の国内移動を遮断するような状況にはないが、国境封鎖前に輸入した中国産品の在庫に余裕がなく、恵山市から物資を運ぶトラック輸送は、ほぼ中断状態だという。

「(国境から離れた)内陸地域では、ウィルスの病気のせいではなく物価高騰のせいで飢え死にするのではないかと恐怖が拡がっている。真偽は不明だが、会寧(フェリョン)、茂山(ムサン)、恵山、満浦(マンポ)などの中国国境都市を、他地域と遮断するという噂も拡がっている。そうなると内陸地域は終わりだ」
恵山市の協力者の説明だ。
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