◆「法定額超え」を後に修正 辻褄合わせか

前述した収支報告書の中にあった選管の指摘の一つに「一日の上限(1万円)を超えていませんか」と書かれているものがある。これは、7月4日のポスター貼付料の支出欄だ。見ると、確かに2750円、1万2000円、1万1000円と報告されており、明らかに法令で定められた額を超えている。

一方、後に入手した収支報告書をみると、6750円、9500円、9500円と修正されている。修正された3か所の修正前と後の支出の合計額は同じだ。1万円超の部分を減額して法定内に収める代わりに2750円→6750円と修正して辻褄を合わせたようにしか見えない。

この点について、広島県選管に聞いたところ、以下のような回答が返ってきた。
「ポスター貼付料を減額されたことについては,河井議員の事務所にお問い合わせください。一般論として,広島県選管では,法令で上限が定められている報酬,実費弁償,公費負担について,それぞれの上限を超えるものがあれば,事務的なミスの可能性があるため,確認していただくよう依頼しています。」

これでは定められた以上の金額を支払っていたとしても、選挙管理委員会に指摘された後、「事務的なミス」と言えば何でも許されることになってしまう。

河井案里議員の事務所にも、ポスター貼付料をはじめとする疑問点について質問状を送ったが、期日までに回答は来なかった。

ポスター貼付料など上限を超えた支出に関して上脇教授は次のように指摘する。
「選挙の運動員に支払われる報酬については法令で報酬額の上限が定められています。それを超えて報酬額が支払われれば公選法違反の買収罪に問われる可能性があります。また、公職の候補者の選挙運動費用収支報告書には、公選法に基づき、選挙に関する収入と支出について真実を記載することを義務づけています。この点は政治資金規正法に基づく政治資金収支報告書と同じです。ですから、運動員の報酬を法令の定める上限を超えて支払われていたとしても、ありのままを支出欄に記載しなければなりません」
公職選挙法違反の可能性があるというわけだ。

河井議員側が広島県選管の指摘を受けた後に、ポスター貼付料を変更したことについて、上脇教授は次のように述べた。
「最初に提出された選挙運動費用収支報告は真実の報酬の支出が記載されていたのでしょう。そうであれば、差し替えられた選挙運動費用収支報告書における宿泊費やポスター貼りの支出額の記載は、公選法違反の虚偽記載罪に問われる可能性があります」