(参考写真)両江道の恵山市場の女性商人たち。主に中国元で取引してきた。2013年8月に撮影アジアプレス

◆外貨市場に強引介入

北朝鮮当局が、4月末から外貨交換市場に介入して為替レートを管理しようという動きを見せている。また、保安機関を使って住民の外貨使用に厳重な取り締まりに乗り出している。「これまでにない厳しさ。市場では中国紙幣を取り出すことすらできないほどだ」と、国内の取材協力者が伝えてきている。咸鏡北道と両江道で5月4日に行った市場調査に平壌の情報も加えて報告する。(カン・ジウォン)

両江道恵山(ヘサン)市の協力者によれば、4日時点で市場では1米ドル=8050ウォン程で交換されているが、銀行の交換レートは約11%も安い7200ウォンまで下がっているという。従来から銀行で外貨→ウォンの両替は、市場よりレートは少し悪いが可能だったのだが、差が大きくなった。

また貿易会社を中心に中国元や米ドルを朝鮮ウォンに替える動きが活発で、一般住民の間に不安が広がっているという。信用のない朝鮮ウォンを避けて少額でも外貨を持とうというのが、庶民層も含めた共通した考えなのだが、外貨使用が困難になるかもしれないと心配なわけだ。

恵山市の取材協力者は次のように言う。

「まだ職場や党機関などの会議で、公式に外貨使用禁止の指示は出ていないが、平壌では、『今後は外貨使用が全面禁止になる』という未確認の噂が流れており、外貨専門の商店をはじめ、外貨を扱う商業機関では市場よりはるかに悪い交換レートを設定して販売している」