(参考写真)路地の市場に買い出しに来ていた女性兵士。部隊内の性被害と飢えが問題になっている。2013年6月両江道にて撮影「ミンドゥルレ」(アジアプレス)

◆内部文書で明らかになった兵役のナゾ

今年の朝鮮人民軍の軍服務期間が、男子は13年、女子は8年であることが分かった。国内に住む取材協力者が、6月に兵役事務を扱う「軍事動員部」の担当者に直接会って確認した。

また、北朝鮮の軍服務期間は固定しておらず、当局の裁量で恣意的に変更できることが、アジアプレスが入手した内部文書で明らかになった。アジアプレスでは、毎年、軍務服務期間を調査してきたが、年によって1~3年の変化があった。今回、その法的根拠が明らかになった。(石丸次郎)

◆兵役期間は国家が毎年恣意的に決定

アジアプレスが入手した内部文書は、今年3月に発行された「<法解説提綱> すべての公民は軍服務の要求を徹底して実現しよう」だ。その内容は、2003年12月に制定された「朝鮮民主主義人民共和国軍事服務法」(以下、軍事服務法)を、あらためて国民に周知徹底させることが目的だ。

この文書には、軍事服務法の条文が紹介されていた。男子は高級中学(高校に相当)在学中の16歳で軍事移動登録をして25歳までに入隊しなければならないことを明記。女子は必要に応じて18歳までに入隊できると記されていた。実質的に男子は徴兵制、女子は志願制であることが明らかになった。

文書では、軍事服務期間は、「軍事人員に対する需要と招募対象を考慮し国が決める」「国家は軍種別、兵種別、または服務条件に応じて軍事服務年限を別に定めることができる」
という条文が紹介されていた。

つまり、北朝鮮では、現在固定した兵役年限はなく、兵員の充足状況や配置部隊、役割などによって、期間を国家が恣意的に決めることができると定められていたわけだ。
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