東京都板橋区・ハッピーロード大山商店街で再開発にともなう解体ラッシュによりアスベスト(石綿)の飛散が懸念されている。住民らの要望に区や再開発組合はゼロ回答。工事の強行を心配する声が高まっている。(井部正之/アジアプレス)

再開発で移転や閉店が相次ぐ東京都板橋区・ハッピーロード大山商店街のようす

◆全31棟でアスベスト使用

全長560メートルの同商店街は東武東上線・大山駅からアーケードに直結する利便性もあり、1日3万4000人が訪れる。都内でも有数の商店街で「板橋の顔」ともいわれる。同商店街を分断する道路(補助第26号線)建設に加えて、2つの再開発計画で商店街「存続の危機」ともいわれている。

そこに持ち上がったのが再開発計画の1つ、「大山町クロスポイント周辺地区」再開発にともなう解体ラッシュによるアスベスト問題だ。再開発で上記道路の一部と26階建てのタワーマンション2棟を建設するというのだが、それにともなって解体される31棟すべてにアスベストの使用が発覚したのである(分析せず含有と判断した「みなし含有」含む)。

もともと7月21日、住民説明会で再開発組合は、31棟のうち7棟でアスベストが使用されていたと口頭で報告するだけで調査結果は提供されなかった。しかも配られた資料には住民の「退去後に調査分析を行います」と記載され、口頭説明と資料に食い違いがあった。

しばらくして現地に掲示された書面では、全31棟でアスベストを含む建材が見つかっていた(みなし含有含む)。

そうした対応を不審に思った住民は同30日、建物ごとの詳細なアスベストの調査結果の開示や除去作業中に毎日敷地境界でアスベストを測定すること、第三者機関による完了検査の実施を再開発組合や板橋区に申し入れた。

8月7日、区はすべて拒否。同18日、再開発組合は調査結果の閲覧を許可したが、それ以外拒否した。

住民らは同21日、再開発組合でアスベストの調査報告書を閲覧。再開発組合はアスベストの事前調査は完了していると説明していたが、NGO「中皮腫・じん肺・アスベストセンター」事務局長の永倉冬史氏らが報告書をわずか2時間ほど調べただけで、吹き付けアスベストが使用されている可能性の高いエレベーター室が「施錠未調査」で機械室の調査・分析結果も記載がなかったり、電気室の調査結果がないなど、いくつもの「調査ミス」とみられる不備を見つけたのだ。