鳥取県は来年の2月議会でアスベストの飛散防止対策を独自に定める県石綿健康被害防止条例の改正案を提出する見通し。条例で定める作業の届け出対象をアスベストを含む「レベル3建材すべて」に拡大する方針だ。(井部正之/アジアプレス)

鳥取県の石綿健康被害防止条例を説明する県のウェブサイト。10月30日現在、条例の改正方針についての記載はない

◆レベル3建材の届け出対象拡大

県条例は2005年6月末に兵庫県尼崎市の旧クボタ工場が原因とみられる中皮腫被害が周辺住民に発生していることが明らかになった「クボタショック」をきっかけに、原因物質のアスベストによる健康被害を防止する目的で同11月に制定した。当時の大気汚染防止法(大防法)では吹き付けアスベストや保温材など「レベル1~2建材」だけをとくに危険性が高いとして規制。それ以外のスレートをはじめとするアスベスト含有の成形板など「レベル3建材」は除外した。セメントなどで固着しており、危険性がそこまで高くないとの判断だった。

ところがレベル3建材でも実際には割ってしまえばアスベストが飛散するうえ、使用量が圧倒的に多い。戸建て住宅にも多用されている。同県は当時同法で対象外のレベル3建材のうち、アスベストを含有する成形板やセメント管の除去作業でも事前に届け出することや飛散防止の措置を定めてきた。

県環境立県推進課によれば、大防法改正を受け、法に条例を合わせる細かな修正が必要となったという。

関連して条例の施行規則で定める作業の届け出対象を現状のアスベスト含有の成形板またはセメント管から、独自にレベル3建材全体に拡大する方針だ。

同県では現在、アスベスト含有の成形板の場合、作業に係る部分の床面積の「計10平方メートル超」で除去面積が「計10平方メートル超」の場合、作業開始の14日前までに届け出が必要としている。石綿セメント管の場合、管の延長が「10メートル超」で同じく届け出となる。

これらを基本に、ほかのレベル3建材についても同様の規模で届け出義務を課す考え。

条例改正については11月の県議会で改正案を提出すべく検討を進めていたが、レベル3建材全体に届け出対象を拡大する条例の施行規則改正に向けた作業が遅れており、2月議会に提出する見通し。

同課は「まずは(改正大防法に基づいて)事前調査をしっかりしてもらうことが大事。入口が悪いと出口も悪くなってしまう。あとはようすをみて考えたい」と話す。