北朝鮮から持ち出された「新経済政策」に関する内部文書。「対内に限る」と記されている。密輸や脱北の横行で情報流出に歯止めがかからなくなっている。(02年石丸撮影)

 

脱北者が情報鎖国に風穴を開けた
このように「世界最強の情報鎖国」だった北朝鮮に、この5、6年の間に情報の風穴が確実に開き始めている。北朝鮮国内の情報を外部世界に、逆に世界の動きを北朝鮮国内に流通させているのは、密輸屋であり、そして越境者・脱北者たちだ。

北朝鮮住民の中国への越境は97年から爆発的に増えた。まさに堰(せき)を切ったように国境の川を越えた人の数は、のべにするとゆうに200万人を超えていると私は推測している。越境者たちの大半は、中国で何らかの援助を受けると、一旦は家族の待つ北朝鮮に戻っていく。

そのような還流型の越境者とは別に、北朝鮮に住むことを放棄した人々が北朝鮮難民となって東北地区を中心に中国各地を彷徨い潜伏している。現在でもその数は5縲怩P0万人に及ぶと思われる。だが、このような難民となった人たちも厳しい中国当局の取締りによって、ひっきりなしに北朝鮮に強制送還されている。その数は00年以降だけでもおそらく毎年1万人を超えているだろう。このような還流型の越境者、送還された難民たちが媒体となって、大量の外部情報を北朝鮮国内に持ち込んでいるのだ。この6~7年の間に、北朝鮮国内には建国以来最大の外部情報が流入したと私は見ている。

「今や同じ社会主義国でも中国の方がはるかに豊かで、隣の韓国はさらに発展しているというのは北朝鮮でも常識。『わが国が貧乏なままなのは米国の封鎖のせいだ』なんて政府はいまだに宣伝しているけれど、今やそんなことは子供も信じていない。中国のように開放できないからダメなんだ、政治が変わらないからダメなんだ、とみんな思っているはずだ」とA氏は言う。

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