線路補修や設備更新もままならず、北朝鮮の鉄道は災害に対し脆弱。ほとんど伝わってこないが、脱線や転覆事故が相次いでいる。
(1999年8月 石丸次郎撮影)

 

鉄橋は流され、線路だけがぶら下がっていた…

シム:昔は暴風被害が多かったけどな、くそ。それに農産物の被害も大きいだろうな。
オ同志:生産は絶対に減るでしょうね。

シム:檜倉、信陽、陽徳と江東なんかでは、農産物被害があるはずだよ。
オ同志:うちの地区では、全部じゃないけれど、川岸の土手にあった畑が水に流されてしまいました。だから被害が大きい。山の斜面の畑は少しましです。川の側は怖いね。ぞっとしたよ。

シム:そうだ、400世帯あまりが一瞬で流されてしまったというのはどこ?
オ同志:「下のお隣さん」(韓国のこと)の報道も早いな、まったく。それは噂によると檜倉だそうです。

シム:あそこが今回の大水の被害が一番大きかったって。
オ同志:それが一つの村がすっかりなくなってしまったってやつですよ。大変な話だ。ひどいことに、檜倉ではアパートまで流されたらしい。

シム:ひどかった地区には400世帯があったそうだが。
オ同志:人口が400だから、100世帯ぐらいだったでしょう。

シム:本当に全部消えてしまったのか?
オ同志:はい。

シム・:犠牲者もたいへんな数だろう。
オ同志:そうですよ!完全に流されたんだから。

シム:全国的に見ると、陽徳郡が被害が一番大きい地域みたいだな?
オ同志:陽徳と信陽、この二つですね。

シム:信陽郡もそんなにひどかったのか?
オ同志:そうですよ。

シム:被害住民たちに対して国家的支援というのはあったの?
オ同志:現在は、陽徳、信陽は郡全体が被害地域になったから、平壌から直接支援物資を運んで来たそうです。
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