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【ジャワヘリ小学校の子どもたちのほとんどがバグダッドやモスルから家族で避難してきた】(アルビル/撮影:玉本英子)</DIV class=cap>

しかし、戦争とそのあとにもたらされた惨禍によって、1歩外に出れば、誘拐されたり、爆弾事件や銃撃にまきこまれたりする不安と恐怖の中で暮らさなければならなくなった。
人びとは、生きるために、避難することを余儀なくされた。しかたなく家を売るか、あるいは残った親戚や近所の人に家を任せて、町をあとにしていった。シリアやヨルダンなど近隣の国にのがれた人びと、そして国内でもすこしでも安全な場所を求めて、一時移住する避難民となった。
治安悪化が原因で、この5年間に200万が国内各地へ、そして220万人が近隣諸国へ安全を求めて逃れざるをえない状況に追いやられた。(UNHCR調べ)
もっとも深刻な状況に直面したのは、子どもたちだった。シーア、スンニ、キリスト教徒…。これまで友達どうしだった子どもたちが、大人たちのはじめた「争い」のために、宗派や民族をいやおうなしに意識せざるをえないような状況がうまれてしまった。 (続く)

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