慶尚北道女性政策開発院の調査では、06年に結婚した全国の農漁村の男性のじつに41%が国際結婚している。「単一民族」を主張してきた韓国社会は 「多民族・多文化社会」 に確実に変わりつつあるのだ。

さらに、大きな問題になっているのが出生率の低下だ。05年の合計特殊出生率は世界最低水準の1.08人。このままいくと、20年後には老人人口の比率が20%以上を占めると専門家たちは指摘している。
「結婚しない女」 の増加は必ずしも悪いことばかりではない。

最近 「オールドミス」 という言葉は死語になり、「ゴールドミス」という新語が定着しつつある。「ゴールドミス」 と呼ばれるのは、おおよそ、30~45歳の大学卒で、年収4000万ウィン(約450万円)以上、安定した職場、現金や不動産の資産8000万ウォン以上を保有する、リッチで自立した独身女性たちだ。

可処分所得の多い 「ゴールドミス」をターゲットにした旅行、レジャーなどの市場も拡大している。韓国でも女性の社会進出、経済的自立が進んだ証しといえる。

結婚格差の深刻な状況に対し、李明博政権は、新婚夫婦用の住宅12万戸を供給すると表明した。婚姻届後、3年以内に出産すれば安い価格の分譲住宅が供給され、低利ローンも組めるという話もある。しかし、「それで問題が解決されるわけじゃない」と私の周りの女友達たちは言う。女性に対する韓国の男たちの古い考えが変わらない限り、結婚しない女性は今後も増え続けるだろう。
(サンデー毎日「朝鮮半島を読む」掲載記事を加筆・修正)

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