チャン・ジョンギルに聞く
石丸:女性は今でも自転車に乗ったらだめなんですか?
チャン:今でもできません。

石丸:(取り締まっている写真を見て)これは身分証を見ようとしているんですか?
チャン:はい。

石丸:捕まったら罰金はどれくらいですか?
チャン:500ウォンから1000ウォン。(100ウォンが約3円)

石丸:写真の中には、おばさんたちが自転車に乗っているのも多いですが。
チャン:それは、こっそりと保安員を避けて乗っているんです。保安員がいれば、自転車から降りて押して行きます。そうすると取り締まらない。

石丸:金正日が乗れないようにしたんですか?
チャン:2002年には女性も自転車に乗っていいということになったんですが、交通事故がたくさんあったので、保安省(警察)から将軍様に提議書を差し上げたんです。それが「方針批准」(金正日のお墨付きが出て)になって降りて来て女性が自転車に乗れないようになりました。

石丸:自転車は大部分が日本の中古自転車なんですよね。
チャン:そう、日本から自転車がたくさん入ってきました。

石丸:チャンさんも持っている?
チャン:持っていたんですが無くしてしまいました。写真撮影をしていて、ふと気がつくと盗まれていた。

石丸:あらら。自転車は一台いくらしますか?
チャン:7万ウォンからおよそ90万ウォンぐらいします。

石丸:90万ウォンだと日本円で3万円! ものすごく高いですね。どんな自転車ですか、新品?
チャン:新品ではなくて中古なんですが、新品同様にきれいなやつは高いです。

石丸:7万ウォンでも安くないですよ。
チャン:月給が1ケ月2000ウォンぐらいだから 安くありません。それでも朝鮮は交通が悪いから。輸送も自転車、出退勤も自転車。

石丸:もう必需品になりましたね。
チャン:韓国で言えば、個人の自家用車と同様ですよ。

石丸:みんなどこに行くんですかねえ。
チャン:どれも市場に出て行く道ですよ。80里(20キロ)ぐらい離れた山奥の農村でトウモロコシを買って来て、市場に売ろうと持って行く場面ですよ。一人で70㎏ぐらいは運びます。

石丸:重いだろう。
チャン:女たち、しんどいですよ。自転車があってこそ可能になったんです。
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