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1.沙里院(サリウォン)市の「闇の卸売り商店街」[1]
2008年10月撮影
取材 シム・ウィチョン 解説 石丸次郎
一九九〇年代の「苦難の行軍」と呼ばれる大社会混乱期前後から、北朝鮮で市場経済が急速に発達してきたことは、本誌の中でも繰り返し述べてきた。原始的で粗末で規模も小さかった闇市場は、この一五年ほどの間に全国津々浦々に広がって規模を何百倍に拡大させ、どんどん複雑化・高度化していった。

平壌から南方に約60キロの沙里院駅。「21世紀の太陽、金正日将軍万歳!」と大書きのスローガン。

平壌から南方に約60キロの沙里院駅。「21世紀の太陽、金正日将軍万歳!」と大書きのスローガン。

 

今や市場パワーは、北朝鮮の経済を牛耳らんとするほどの勢いを持つようになったのである。その実態をわかりやすく説明するために、内部記者たちが撮影してきたビデオや写真を細かく分析して「シリーズ北朝鮮の市場」として連載していく。

第一回目は、シム・ウィチョン記者が黄海北道の道庁所在地である沙里院市で、二〇〇八年一〇月に撮影してきた映像から切り取ったものだ。そこには、公設市場の門前の道路脇に女性たちがずらりと並んでいる少し奇妙な光景が映し出されていた。

大成(デソン)市場入り口。まだ門が閉まっており、荷物を持った人たちが開場を待つのが見える。

大成(デソン)市場入り口。まだ門が閉まっており、荷物を持った人たちが開場を待つのが見える。

大成市場の門を背にして立つ。市場に連なる道路の両脇には、手に何かが書かれた紙を持った女性がずらりと並んで座っている。

大成市場の門を背にして立つ。市場に連なる道路の両脇には、手に何かが書かれた紙を持った女性がずらりと並んで座っている。

 

<リムジンガン>シリーズ 北朝鮮の市場経済 一覧

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