平安南道の道庁所在地である平城(ピョンソン)市の駅前広場で、「警務」と呼ばれる憲兵が、通行人の書類を確認している。通常「警務」が取締るのは軍人と軍属に限られる。このように、北朝鮮では、警察、軍の他、住民で組織された「糾察隊」と呼ばれる組織が、道路で住民の移動をチェックすることが日常茶飯事になっている。2009年8月 撮影 金東哲(アジアプレス)

 

北朝鮮当局が公表した労働党代表者会を目前に控え、移動制限令が出されるなど、一般住民に対する統制が一段と厳しくなっているようだ。代表者会の前日の27日晩、北朝鮮北部の咸鏡北道に住むアジアプレスの取材協力者が電話で伝えた。

この取材協力者は30代の女性で中国との国境都市の茂山(ムサン)郡に居住。26日に行政の末端組織である人民班の会議に出たところ
「27日から10月10日まで特別警戒期間なので移動はできない」
と人民班長から通達があったという。

10月10日は労働党創建記念日で、平壌で大規模な軍事パレードが行われるという観測が出ている。
北朝鮮当局が、28日に始まる党代表者会から来月10日までを、「ポスト金正日」体制を公然化させる重要イベント期間として位置付けているのは間違いなく、要人警護や不穏な動きを事前に封じ込めるために、住民への統制を地方都市でも徹底させる動きだと思われる。

北朝鮮では、昨年11月に強行したデノミ措置(通貨ウォンを100分の1に切り下げ)以降、経済混乱に対する一般民衆の反発が高まっており、中国に親戚訪問や商用で訪れた人の中からも、政治に変化を求める声が聞かれるようになっている。

またこの取材協力者は、この人民班会議で
「8月に金正日総書記が中国訪問したのをきっかけに、中国に逃げ出した『渡江者』(脱北者)は、すべて逮捕して北朝鮮に送還されていると説明を受けた」
と伝えた。
(中国延吉=パク・ヨンミン)