同じく金記者の報告によれば、11月中旬の市場価格は白米が900、トウモロコシは320、ガソリン1500、1米ドル1500、1中国元が225ウォンだったので、この二か月間で諸物価は二倍以上に高騰し、ウォンの価値は半減していることが分かる。

2009年11月末に断行されたデノミ措置(通貨ウォンを100分の1に切り下げ)による混乱で、昨年上半期は20倍の物価上昇を見せるというハイパーインフレが発生していた。

北朝鮮当局は外貨の使用を禁じ、違反時には死刑もありうる旨を、「貨幣交換」直後の2009年12月に布告した。このため一時的に外貨の使用は減ったが、ウォンの不安定さが払拭されなかったため、外貨の流通は止まらなかった。写真は2010年6月に平安南道の平城(ピョンソン)市で撮影された両替商。辺りをはばかることなく記者に外貨交換を呼びかけてきた。撮影 金東哲(キム・ドンチョル)

北朝鮮当局は外貨の使用を禁じ、違反時には死刑もありうる旨を、「貨幣交換」直後の2009年12月に布告した。このため一時的に外貨の使用は減ったが、ウォンの不安定さが払拭されなかったため、外貨の流通は止まらなかった。写真は2010年6月に平安南道の平城(ピョンソン)市で撮影された両替商。辺りをはばかることなく記者に外貨交換を呼びかけてきた。撮影 金東哲(キム・ドンチョル)

2009年11月30日に突如行われた「貨幣交換(デノミ措置、通貨ウォンを100分の1に切り下げ)」は、庶民の経済活動に大きな打撃を与えた。少なくない人々が、食糧を買うために家を売り払い、コチェビと呼ばれるホームレス生活に転落したと金東哲記者は語る。写真は昨年6月に撮影された23歳のコチェビ女性。貨幣交換で両親を亡くし、畑の雑草を飼料として売ることで生命をつないでいたが、同10月、死亡したことが明らかになった。撮影 金東哲(キム・ドンチョル)

2009年11月30日に突如行われた「貨幣交換(デノミ措置、通貨ウォンを100分の1に切り下げ)」は、庶民の経済活動に大きな打撃を与えた。少なくない人々が、食糧を買うために家を売り払い、コチェビと呼ばれるホームレス生活に転落したと金東哲記者は語る。写真は昨年6月に撮影された23歳のコチェビ女性。貨幣交換で両親を亡くし、畑の雑草を飼料として売ることで生命をつないでいたが、同10月、死亡したことが明らかになった。撮影 金東哲(キム・ドンチョル)

 

(石丸次郎)

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