中朝国境で中国側に脱出した北朝鮮住民5人が北朝鮮軍により射殺され、2人が重軽傷を負っていたことが9日、明らかになった。
中国吉林省長白地区の消息筋によると、昨年12月14日、北朝鮮両江道恵山市から北朝鮮住民7人が凍結した中朝国境の川・鴨緑江を渡り、中国側に入った。

ところが、住民を追ってきた北朝鮮軍の集中射撃により5人が即死、2人は負傷したまま北朝鮮に送り返されたという。
北朝鮮軍はこれまで、脱北者が中国領に入った場合はそれ以上、銃撃しなかったが、今回は中国領に入った脱北者を射殺し、生存者を連行したことから、衝撃を与えている。中国側は、北朝鮮軍の銃撃により死亡した北朝鮮住民の遺体と生存者を送還し、抗議もしていないとのことだ。

今回の事態は、北朝鮮政権が国境警備を担当する北朝鮮軍に最近出した指示と関係があるものと思われる。金正日(キム・ジョンイル)総書記の三男で後継者の金正恩(キム・ジョンウン)氏は、脱北を防ぐため「国境全地域で許可なしに川を渡る者は射殺してもいい」と命令していたと伝えられている。

また、「わいろの受け取りはともかく、脱北者に川を渡らせるのは容赦できない」とも指示していたとのことだ。このため、北朝鮮軍はAK小銃に実弾を装てん、40発の予備弾薬、手投げ弾を携帯し、国境警備に当たっている。
姜哲煥(カン・チョルファン)記者
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アジアプレスの中国の取材協力者に依頼して真偽を確認しているが、吉林省長白県現地では「そんな事件は噂話すらない。もし脱北者を射殺するようなことがあったら、たちまち大騒ぎになるはずだが...」という回答であった。

長白県の対岸、両江道恵山市の住民も聞いていないということだった。
脱北防止に北朝鮮当局が躍起になっているのは事実である。しかし、中国領土に向かって発砲することを、北朝鮮当局(記事では金正恩)が認めるとは、やはり考えにくい。中国人が巻き添えになる可能性もあり、下手をすると国境紛争になりかねないからだ。

筆者は朝中国境取材を17年続けてきたが、国境での「脱北者射殺」という事件は、確認したことがない。情報は何度も流れたことがあったが、どれも噂話の域を出ないものだった。

ただし、国境地帯において北朝鮮国境警備隊が発砲事件を起こした事案が皆無だったわけではない。昨年6月には、鴨緑江下流で密輸をしていた中国人が射殺される事件が起こっているが、やはり外交問題になり、北朝鮮当局は謝罪、遺族に賠償している。

姜哲煥記者は、事実確認を怠って噂話をそのまま記事にしたのではないか?
朝鮮日報は韓国最大の新聞社。北朝鮮関連記事は韓国内はもとより、日英に訳されてウェブで配信され、それが引用されて世界中を駆け巡る。日米の専門家も毎日目を通しており、影響力は大変なものがある。
根拠薄弱な記事は本当に困る。
(石丸次郎)

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