慈江道・煕川発電所建設現場を視察する金正日総書記(朝鮮中央通信が公開した写真から)

慈江道・煕川発電所建設現場を視察する金正日総書記(朝鮮中央通信が公開した写真から)

北朝鮮の電気事情の悪さについては、度々言及してきたが、3月末にいたって各地から大変な報告が続々届いている。この2週間ほどの情報をまとめておこう。

両江道の恵山市
市中心部に住む取材協力者によると、3月16日はゼロ秒、3月19日から数日は珍しくよく電気がよくきていたが、3月25日はまたゼロ秒。さらに一日において、発電所の故障があって3日連続で1秒も電気が来なかったそうだ。
真っ暗闇の生活の中、密かに渡してある携帯電話の充電もままならない。ちなみに19日から電気が来ていたのは、平壌から「非社グルパ」と呼ばれる取締り組織が恵山に来ていて、韓国ドラマなどの「不純録画物」を見ている家庭を捜索するために、電気を無理して流していたという。

咸鏡北道の茂山郡の取材協力者
3月26日から3日間やはり1秒の電気も来なかった。巷では、金日成主席の誕生日である4月15日に子供たちに菓子の無償配給をするために、菓子工場に電気を集中させているからだというが、真偽はよくわからないという。茂山鉱山には電気が行っているようだ。

「粥をすするのも明かりのある所ですすりたいもんだ」とか
「電気のある暮らしは、いつ頃のことだっけ」
などと、言い合っているという。
やはり充電が大問題で、余裕のある家では、自動車のバッテリーにためておいた電気を使うのだそうだ。

平安南道順川市の炭鉱近くに住む取材協力者
順川炭鉱地区は、採炭のために電気が必要で、北朝鮮で最も電気事情の良い地点である。しかし、昨年は一日に20時間ほどあった電気供給が、3月中旬からは一日8時間程度になっているという。そのため、平均ざっと一日1000トンあった採炭量が300トンほどに落ち込んでいるそうだ。
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