8月に入り、中国との国境に近い北朝鮮の北部地域で、密輸や脱北の取締りが強化されている。「暴風軍団」「特別打撃隊」と呼ばれる組織が投入されており、国境地帯は厳戒態勢が敷かれていると、北朝鮮内部の取材協力者が伝えて来た。

中国側から撮影した恵山市。人口はおよそ20万人。北朝鮮屈指の国境都市だ。対岸の中国との密輸も盛んだ。2010年7月 撮影:李鎮洙(リ・ジンス)(C)アジアプレス


◇両江道恵山(ヘサン)市には「暴風軍団」を派遣し取締り強化

北朝鮮北部に位置し、鴨緑江で中国の長白県と接する両江道恵山(ヘサン)市に住む崔敬玉(チェ・ギョンオク)氏によると、8月初めから「暴風軍団」と呼ばれる取締り部隊が派遣されているという。「暴風軍団」は抜き打ちで通行人の荷物検査を行い、従わない者の荷物を没収する一方、密輸や脱北をほう助していると疑われる人物に対しては、強制的に家宅捜索を行っているとのことだ。

この「暴風軍団」の詳細については現在調査中であるが、崔氏によると若い兵士で構成されており、私服姿で任務を遂行することもあるという。部隊が政府のどの部署に所属しているのかははっきりしない。裁判権は持っておらず、彼らの任務はあくまでも脱北行為や密輸など、国境特有の「犯罪行為」に関わる人物の捜査、拘束であるとのことだ。

一方、「暴風軍団」によって拘束された人物は、これまで通り、検察や保安部(警察)などの協議の上に判決を下され、教化所(刑務所)や労働鍛錬隊(短期の強制労働キャンプ)への入所、山間僻地への追放刑などが言い渡されているという。

「今月10日には『暴風軍団』の家宅捜査により、中国に密輸出するために倉庫に隠しておいた古鉄5トンを摘発された5家族が、翌日に追放された」
と崔氏は25日に伝えてきた。
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