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2.市場の力が作った長距離バス網[4]

取材 キム・ドンチョル/リ・ジュン/石丸次郎
情報提供 チェ・ギョンオク
監修 リ・サンボン(脱北者)
整理 リ・ジンス

「サービバス」のシステム
1. 路線と運賃
図1は、リムジンガン編集部で確認した「サービバス」の路線を図化したものだ。他にも多くの路線があり、「ウルリム会社」と「一一六機動隊」以外の運営会社も存在すると思われるが、現時点では詳細は不明である。交通の要衝となっている平壌、平城(ピョンソン)、新義州(シニジュ)、 咸興(ハムン)、清津などの大都市と地方都市はほとんど「サービバス」で結ばれるようになった。

運賃については運営会社によって小さな差はあるものの、だいたい同じくらいである。それぞれの路線の運賃について詳しくは別表にまとめるが、一つ注目したいのが、二〇〇九年一一月末の「貨幣交換」(デノミ措置)前後でも、運賃の切り下げが小さかったという点だ。

キム・ドンチョル記者の報告によれば、「貨幣交換」以前に一万五〇〇〇ウォンだった平城--新義州間(距離約二〇〇キロ)のバス運賃が、二〇一〇年三月の時点で一万ウォンとなっている(所要時間は約七時間とのこと)。このように、「貨幣交換」が通貨ウォンの単位を一〇〇分の一に切り下げ、国定価格についても同様に一〇〇分の一に切り下げることを建前にしていたにも関わらず、「サービバス」や鉄道の国定運賃はさして下がらなかった。断片的な内容からの推測ではあるが、このことは「貨幣交換」後、全国的に物通に支障をきたす一因となったと思われる。
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