黄海南道の農村での収穫の様子。70年代の農民の暮らしは貧しいながらも、食べる物だけは豊富だった。それも90年代の「先軍時代」の到来と共に過去の話となった。2008年9月黄海南道 撮影:沈義川(シム・ウィチョン)

黄海南道の農村での収穫の様子。70年代の農民の暮らしは貧しいながらも、食べる物だけは豊富だった。それも90年代の「先軍時代」の到来と共に過去の話となった。2008年9月黄海南道 撮影:沈義川(シム・ウィチョン)

 

荒廃して自然災害に弱くなった国土、経済破綻に起因する電力や営農資材の絶対的不足、集団農業の非効率性、幹部の不正腐敗、負担を強いられる農民の労働意欲低下...このような構造的要因によって、北朝鮮の農業は生産不振の泥沼にはまって抜け出せないでいる。そのしわ寄せを受け、農民たちは苦しんでいるのだ。
次回最終回では、黄海道の都市住民の現状を分析する。(つづく)

(※1)韓国統計庁「北韓統計(2011年)」を元に産出。北朝鮮の耕地面積は約191万ha。水害被害規模が北朝鮮の発表通りなのかは不明。
(※2)国連食糧農業機関(FAO)が2012年4月に発表した「世界の山林現況2011」に拠る。山林面積は1990年の820万haから566万haに減った。この報告書も伐採された木のほとんどが燃料用だと指摘している。http://www.fao.org/docrep/013/i2000e/i2000e00.htm
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