◆李英鎬総参謀長 「病気」理由も権力闘争の見方も
(本誌特約=「デイリーNK」パク・ソングク記者)
北朝鮮の朝鮮労働党中央委員会が政治局会議を通じ、李英鎬(リ・ヨンホ)政治局常務委員兼、人民軍総参謀長を全ての職務から解任することを決定した。16日、朝鮮中央通信が伝えた。

15日に全職務からの解任が発表された李英鎬総参謀長。故金正日氏の最側近のひとりだった。(写真 朝鮮中央通信より)

15日に全職務からの解任が発表された李英鎬総参謀長。故金正日氏の最側近のひとりだった。(写真 朝鮮中央通信より)

同通信は「今月15日に開催された会議で、李英鎬を身病(編注:病気)の関係で党中央委員会政治局常務委員、政治局委員、党中央軍事委員会副委員長など全ての職務から解任することを決定した」としている。

しかし、同通信では解任の理由を病気とする一方、「会議では組織問題が取扱われた」と明らかにしている。このため、李軍総参謀長が個人の健康上の理由ではなく、政治的な理由から解任された可能性があると見る専門家も出ている。北朝鮮では一般的に「組織問題」という表現を、権力闘争などによる内部での問題発生時に使用する。

これについて、北朝鮮で高官を務めたある脱北者は、「北朝鮮が『病気が理由』と明らかにする一方、『組織問題』が提議されている場合には、政治的な理由によって解任されたことを表している。健康上の理由による解任を政治局会議を通じて決定することは稀である」と本誌のインタビューで答えた。

今年70歳になる李軍総参謀長は、金正恩第1書記が後継者に内定した後、軍を掌握する過程で重要な役割を果たしたとされる人物。2010年9月27日に次帥に昇進、次の日に開催された第三回労働党代表者会では、金正恩氏と並んで、新設された党中央軍事委員会副委員長職に就いた。

また、昨年12月28日に行われた故金正日総書記の告別式の際には、金正恩氏、張成沢(チャン・ソンテク)氏など北朝鮮の権力に中枢にいる7人の内の一人として、霊柩車を直接護衛するなど、「金正恩時代」の核心軍幹部とされてきた。
また、今月8日の故金日成総書記の18周忌には、金正恩第1書記のすぐ左側に立って、故金主席の遺体が安置されている平壌の「錦繍山太陽宮殿」を参拝していた。