さらに、太陽光発電も発電装置の価格が下がっている。買取り価格が下がってきているにもかかわらず、設置台数は右肩上がりに増えているという。
再生可能エネルギーが普及すると、経済効果はどのようになるか。藤澤さんは「設備への投資額は、2012年で2兆5000億円、関連事業での雇用者数は38万人となっている」と説明する。

◆課題を一つずつ克服、再生可能エネルギーの普及へ
もちろん、課題もある。

「風力発電では騒音、バイオマスでは農作物との資源の奪い合いも起きている。しかし、ドイツ政府は、辞書を引きながらの外国人の私が見てもわかりやすい行動計画を立てている。ここが日本と違う。ドイツは、数字をはっきりと示し、課題を明確にしたモニタリングレポートを出している。そこからは、課題を一つずつ克服して、再生可能エネルギーを普及させようと努力している姿が見て取れる」と語り、講演を締めくくった。

講演を聞いた増井茂美さんは、「40年位前、ドイツの火力の発電効率は80%近くて、日本の超大型火力が40%弱と教わりました。また、生ゴミを焼却炉で処理していたため、燃料費が膨大になるなどの問題もあったようです。今聞いてみると、ゴミの回収を含めて、様々なことを総合的に何十年も取り組んだ成果が今日のドイツだと思いました」。

別の参加者の久保秀美さんも「日本政府は国民全体、人類全体の幸せ、命のことを考えず、経済的、産業界のことだけ考えているように思う。情報公開の重要性を強く感じます」と感想を寄せてくれた。 【森山和彦、矢野宏 うずみ火】
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