原子燃料の製造工程 (原燃工業のパンフレットより)

●「再稼働して欲しい」
工場内は非常に清潔に保たれていた。ゴミ1つ見なかった。全てがきれいに片づけられているという印象だ。数か月に一度、IAEA=国際原子力機関が抜き打ちで検査に来るので工場内は常にきれいにしておかなければいけないという。
見学の最後に「最近、仕事あるんですか」と案内をしてくれた社員に尋ねてみた。13年9月以降、全ての商業用原子炉が稼働していないからだ。熊取で扱っているPWRに関しては、関西電力の大飯原子力発電所4号機が稼働を止めた13年9月以降、動いていない。
「全くないというわけではないが・・・暇ですね」
「再稼働、して欲しいですか?」
「・・・再稼働・・・して欲しいですね」
原発再稼働の審査のうち、最優先されている九州電力の川内原子力発電所1・2号機が熊取の工場でつくっている燃料で稼働するPWRだ。再稼働申請されている原発はこのPWRが17基中12基(14年4月末現在)を占めている。つまりこの工場でつくられる燃料が再稼働を支えることになるということだ。

●安全性を強調する会社
工場を出た後、説明ブースに案内された。職員が1対1で対応をしてくれた。まず出てきたのは、福島原発直後によくメディアで流れていた、普通に暮らしていても被曝はいつもしているという内容だ。また、この工場の下には活断層がないので南海トラフ地震でも大丈夫とも話していた。臨界や電源喪失でも安全対策をしているという原子力発電所と同じレベルの対策をしているとの説明もあった。
不思議なもので、安全を強調されればされるほど、危険な工場だと感じてしまう。
ここでつくった燃料は、福井県をはじめとする西日本の原発(島根原発は省く)と泊原発で使わる。当然、各地の原発まで運ばなければいけない。
「熊取から原発銀座の福井などにどうやって運ぶのですか」
「それは、法律で守秘義務を課せられているから答えられません」と少し困った顔をしながら返事をしてくれた。思わず「特定秘密ですか」と聞き返してしまったが、「原子力に関する法律で前からある法律です」と即答されてしまった。
これらは一部の幹部しか知らないトップシークレットだという。それはつまり燃料がいろいろな意味において危険なものだからだろう。
ふと、橋下大阪市長や松井大阪府知事はおひざ元にこういった施設が有ることを知っているのかと思った。