白頭山地区の革命戦跡地の入り口である普天(ポチョン)郡の革命史跡碑。2014年5月 中国側から撮影(アジアプレス)

白頭山地区の革命戦跡地の入り口である普天(ポチョン)郡の革命史跡碑。2014年5月 中国側から撮影(アジアプレス)

 

◇10月10日から20日間以上延焼、消火活動の軍人5人死亡か

去る10月10日、北朝鮮最大の革命戦跡地であり、故金日成主席と故金正日総書記の偶像化における重要度から「聖地」とも呼ばれる、両江道(リャンガン ド)三池淵(サムジヨン)郡で大規模な山火事があり、国家的な非常事態に発展していた事が分かった。北朝鮮内部の複数の取材協力者が伝えた。(ペク・チャ ンリョン)
10月中旬、北朝鮮北部の行政機関に勤めるアジアプレスの取材協力者は、
「三池淵地区の白頭密営農場で10月10日午後に山火事が発生した。ジャガイモ畑と防風林が完全に焼け、史跡の建物も多くの被害を受けた」
と電話で明かした。

明くる11日には両江道内の党、勤労団体、司法・警察機関の幹部たちの非常会議が召集され、山火事の消火のために多くの人員が投入された結果、初期の鎮火には成功したとのこと。だが、現地の農場員をはじめ、動員された人々の中には命を落とした者もいるという。

また、犠牲者の中には金氏一族の別荘警備に当たっていた、護衛司令部(護衛総局)の軍人5人が含まれていた模様だ。彼らは消火作業中に被害にあった という。他にも多くの負傷者が三池淵郡の病院に運び込まれていると、取材協力者は報告してきた。山火事の発生原因については、地域の軍人たちがジャガイモ を焼くためにくべた焚き火が、森に燃え移ったものと、行政機関などでは見ているとのことだった。
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