政府は2014年度内に、老朽化した5基の原発の廃炉を表明する考えだ。ただ、廃炉と言っても、そこから先の見えない廃炉作業に入るということである。廃炉についての問題点を、京都大学原子炉実験所・助教の小出裕章さんに聞いた。(ラジオフォーラム)

ラジオフォーラムの収録で語る小出裕章さん
◆期間も手段も費用も分からない
ラジオフォーラム(以下R):まず、廃炉とは何かということについておうかがいしたいと思います。
小出:運転開始から40年で廃炉にするということがよく言われるわけですけれど、それは単にその時点で運転を停止するという意味です。それまで動いていた原子力発電所をどうやって始末するのかという長い年月がその先に待ち構えているのです。
最終的に、放射能のゴミそのものは消すことはできませんけれども、少しでも安心できる状態になるまでに、それこそ50年でも100年でも作業を続けることが廃炉というものの作業なのです。
R:つまり、40年経ったところで廃炉にするというのは......
小出:そこで運転を停止して、廃炉の作業を始めるということです。
R:廃炉に着手はするけども、廃炉が完了するのは......
小出:いつになるかわかりません。