いわゆる「都構想」に有権者はノーを突きつけた。1票でも賛成が多ければ政令市である大阪市は消滅、バラバラにされるという究極の選択だった。「構想」を 提唱した橋下徹市長(大阪維新の会代表)は政界引退を表明。かろうじて首の皮一枚で残った大阪市の「ポスト住民投票」の行方は――。(栗原佳子/新聞うず み火)

都構想ノーの集会で、ずらりと並ぶ野党市議、府議、国会議員ら=大阪・扇町公園(撮影・栗原佳子)

都構想ノーの集会で、ずらりと並ぶ野党市議、府議、国会議員ら=大阪・扇町公園(撮影・栗原佳子)

 

◆ 住民投票までを振り返る

反対70万5585票(50.38パーセント)、賛成69万4844票(49・62パーセント)。
5月17日の住民投票の結果は約1万票という僅差だった。投票率は66.83パーセント。これは、橋下氏が再選された昨年3月の出直し市長選(23.59 パーセント)、橋下氏が知事から市長に鞍替えし、ダブル選となった2011年11月の市長選(60.92パーセント)などと比べると低い数字ではない。

橋下氏は12月末の市長任期を全うし、政界を引退すると断言した。政局がらみの色彩を帯びていることもあり、メディアの注目度は高い。だが、特にテ レビ番組のコメンテーターの一言やネット上に散見する識者の評論などに、首を傾げることが多々ある。そもそも、住民投票で何が問われていたのかも理解され ていないのではないか。わかりにくかったのは確かだが、ボタンの掛け違いは後々禍根を残す。ここはまず、住民投票までの経緯を振り返りたい。