小出:まあ、そうですけれども、これまではきれいごとと言うのですしょうか、自治体の方から誘致をするというよ うな形に持っていきたいと恐らく国の方は思っていたのですが、さすがにそれがいくらやってもダメということで、今度は強権的に国の力で「お前の所だ」と 言って指名して、そこに押し付けるという手段に出てきたことになります。

R:理屈としては「科学的有望地」というものを選定して、そこを候補地にする。政府が言うには国土の7割が候補地になる可能性があるとのこと。かなりの自治体が科学的に有望だという話のようですが、小出さんはどうお考えですか。

小出:全く馬鹿げていると私は思います。日本というのは世界一の地震国であるわけですし、火山も山ほどあって地 震の予知も火山の予知もこれまでできた試しがない。どんなに科学的な調査を行ったところで、思わぬ時に火山が爆発してしまうということは、御嶽山もそうで したし、先日の口永良部もそうでした。地震だって、本当に予期もしないような地震が2011年3月11日に起きたわけですし、科学的に有望だなどと現在は 言えない状況だということをきちんと知らなければいけないと思います。

R:経済的に厳しく、過疎に苦しんでいる自治体に押し付けるという構図は、原発の立地と基本は同じですよね。

小出:そうです。

R:ただ、原発の立地とは違って10万年というタイムスパンを考慮しなければならない。実際にはかなり強権的なことをやらなければならないだろうなというのは、わりと容易に予測できますね。

小出:そうです。科学的に保障できるような時間の長さではないわけですから。

日本には学術会議という学者の国会とも言われているような組織があります。その学術会議でさえ2年前に、現在、日本の政府がやろうとしているような核のゴミの埋め捨てというのは科学的に正しくないから、もうゼロに戻って考え直せという答申を出しているくらいなのです。

本来であれば、政府は学術会議の答申を受けて、考え直さなければいけないはずなのですけれども、今の日本の政府は全然考え直すつもりもなくて、むし ろ強権的に突破しようという動きに出てきたわけです。世界中、同じような状況になっているわけで、世界の英知を集めてやはり考え直すしかないと思います。 なによりまず一番大切なことは、これ以上こんな毒物を作らないことだろうと私は思います。

※小出さんの音声をラジオフォーラムでお聞きになれます。

「小出裕章さんに聞く 原発問題」まとめ