咸鏡北道の協同農場で、脱穀後の米の引き渡しを巡って、農民と協同農場の幹部との間で対立が発生、農民たちが夜間に幹部宅に投石を繰り返すなど、騒動が続いている模様だ。北朝鮮内部の取材協力者が12月2日に伝えてきた。(整理/カン・チウォン、石丸次郎)

(参考写真)収穫の終わった畑で落穂拾いをする女性。2008年10月 黄海南道に て撮影シム・ウィチョン(アジアプレス)

(参考写真)収穫の終わった畑で落穂拾いをする女性。2008年10月 黄海南道に て撮影シム・ウィチョン(アジアプレス)

 

事件が発生したのは、咸鏡北道のある協同農場。稲の刈り取りを終えた農民が、個人の取り分を農場の施設を使って脱穀したところ、農場幹部が農民たちの借金清算を理由に米を全量引き渡さなかったため、集団抗議が発生したという。

この農場を訪れて調査したアジアプレスの取材協力者は、対立発生の経緯を次のように述べた。
「今年は収穫物のうち、農民の取り分については家に持ち帰ることを許された。農場の幹部たちは農民たちに『農場の機械で脱穀してやる』と持ちかけたのだ が、断りなく借金分を差し引いたため農民たちの怒りが爆発した。農民たちは『脱穀詐欺』だと言っている。幹部個人宅に押し掛けたり、夜間に投石するなど騒 動は一週間続いている」。
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