その点でも、4.25体育団は抜かりがなかった。自分たちの試合の審判を買収しておき、何でもない動きに対して頻繁に反則の注意を与えさせるなど、様々な機会をとらえて試合時間を長引かせ、もう一方の試合が先に終わるよう仕組んでいたのだ。

朝鮮のサッカー専門家やファンたちの目も節穴ではない。「どう見てもおかしい」という非難が噴出し、抗議の声も上がった。しかしチームと審判が完全に裏で握り合っていたため証拠もなく、競技の公正さについて、社会を大きく失望させただけで終わった。

こうした不正をなくすため、朝鮮のサッカー協会は90年代末頃、専門審判機構を設けている。しかし経済難を背景にした不正腐敗の蔓延もあり、八百長は完全には消えていない。

もちろん、原因は経済難だけではない。朝鮮において、専門審判を育成するための仕組みがまともに機能してこなかった点も重視すべきだろう。これはサッカーに限らず、朝鮮スポーツ界全般について言える問題なのだ。(続く)

本稿は、「北朝鮮内部からの通信・リムジンガン」第7号の記事に加筆修正したものです。北朝鮮スポーツ関連の詳しい内容は「リムジンガン」7号をご覧ください。

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