もっとも、並みの外国人選手がこのような状況に遭遇したら、そのまま試合を諦めてしまっただろうが、朝鮮の選手はそうはしなかった。

普段からあまりにも頻繁に銃が故障するため、すばやく修理して競技を続ける術を、自然と身につけていたからだ。敗退したのは銃の修理に時間を取られ、タイムオーバーしてしまったからだった。

しかしそもそも、銃の古さが難点になるであろうことは、大会に参加する前からわかっていたことだ。そこでチーム関係者は、軍の体育部門の統帥権者であった崔富日副総参謀長に新しい射撃機材の購入を打診し、それが受理されて予算もつけてもらっていた。

ところが新しい銃を買おうとしたところ、海外のすべてのスポーツ銃メーカーから、「朝鮮には銃を売ることができない」と拒絶されてしまった。理由は例によって、「朝鮮はテロ支援国リストに載っているから」。

涙ぐましい努力で技術を磨きながら、国のイメージによってここまで苦労させられる選手たちが、果たして他にいるだろうか。

(第一部了)

本稿は、「北朝鮮内部からの通信・リムジンガン」第7号の記事に加筆修正したものです。北朝鮮スポーツ関連の詳しい内容は「リムジンガン」7号をご覧ください。

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