奥下秘書問題に関する質問に 「問題ない」と答える橋下大阪市長 2013年 3月11日撮影リ・シネ

奥下秘書問題に関する質問に 「問題ない」と答える橋下大阪市長 2013年 3月11日撮影リ・シネ

 

◆生徒とPTAが廃校断固反対訴えるが…

当時、長男が池田北高2年だった森田弘子さん(41)はPTA役員だった。会長からの連絡で役員会が開かれ、「何もしないのはおかしい。『府・市立7校廃校』計画に断固反対し、0.01%でも撤回の可能性があるのなら活動しよう」と意思統一ができ、2日後には「大阪府立池田北高校を守る会」を立ち上げた。

「皆さんの力をお貸しください」「ボクたちの母校をなくさないでください」――。

9月末、池田駅前で署名活動がスタート。教職員や保護者、卒業生に混じって、ユニホーム姿で駆けつけた野球部員たちの姿もあった。

「もう決まったんやろ」「遅いんとちゃうか」という意見もあったが、森田さんらは「大人の勝手な事情で、子供たちの学ぶ場がなくなるなんておかしい」と訴え、廃校案撤回を求める署名への協力を呼びかけた。

以後、森田さんらは週2回のペースで、池田駅や梅田駅前などの街頭に立った。「子どもたちの『学ぶ権利』を奪う 高校つぶし反対!」と書かれた横断幕、白地に紺色で「池田北高校」と書かれた寄せ書きが通行人の目を引く。

野球部に続き、サッカー部、テニス部、水泳部と生徒たちも自分たちの問題として受け止め、参加した。2カ月間で集めた署名は、「咲洲高校を守る会」と合わせて3万4580筆。11月21日に開かれる府教委の会議を前に、森田さんらは署名を提出した。

「奇跡が起きるかも」という願いは虚しく、数時間後に開かれた会議では教育委員の全会一致で2校の募集停止が決定した。(続く)

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