表1 北部地域と平壌間の国定鉄道運賃表(2015年9月調査)

路線別の鉄道運賃の闇価格について、北朝鮮の鉄道労働者の調査協力者は、2015年9月に次のように説明した。乗車券の闇販売をしているのは、鉄道駅員たちだ。

「闇取引の価格は時期や需要によって変わるが、おおむね路線別で国定価格の5~6倍ぐらいの値段だ。平壌行の場合は、地方の人間が入るのを統制しているため乗車券の販売も限られており高く売れる。茂山-平壌行きは座席で2万ウォン程度で売られている。ただ、急な用でない場合は、面倒で時間が多少かかっても、駅で 切符をあらかじめ公式に申請しておいて国定価格で購入することもできる」

この鉄道員の調査協力者によると、鉄道労働者の国定の月給は2015年9月時点で1080ウォンから1900ウォンで、七等級に分かれているとのことであった。同時期の市場で白米1キ ロが5000~6000ウォンであったので、鉄道労働者は月給で米500グラムさえ買えないことになる。食糧配給は出ていないという。そのため、旅客部門の鉄道員は、国定価格の乗車券を 5~6倍の闇取引価格で売って生計を立てているとのことであった。次のページ:2013年9月時点の「稼ぎバス」の運賃例

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