コチェビの取り締まりを避けるため、山中で暮らしている老婆と孫。境遇を嘆くおばあさんの話に、孫は涙にむせぶ。撮影ク・グァンホ(アジアプレス)

コチェビの取り締まりを避けるため、山中で暮らしている老婆と孫。境遇を嘆くおばあさんの話に、孫は涙にむせぶ。撮影ク・グァンホ(アジアプレス)

ショーウィンドゥ都市の平壌にも、家なくさまようコチェビ(浮浪者)が大勢いる。平壌に住むアジアプレスの取材記者のク・グァンホは、2011年、首都平壌の最底辺に生きる人々の姿をビデオに収めた。

アパート街の裏通りで、住民に恵んでもらったパンを頬張る少年は「義父に殴られて家を追い出された」と言った。郊外の大城山公園では、遠足に来た子どもたちの弁当の残り物を漁る青年の姿があった。

「食べさせられない」と、娘の夫から家を追い出されたおばあさんと10歳の孫は、郊外の山中の防空壕跡で寝泊まりしていた。街中にいると捕えられて「コチェビ収容施設」に入れられるため、山の中に隠れているという。そこは電気も窓も無く、洞窟のように暗かった。

ク・グァンホの説明によると、地方とは異なり、平壌では外国人の目に触れないよう、コチェビはすぐに捕えられて収容施設に入れられる。そのため、昼間に街を徘徊することすら困難だという。

いつも美しい「革命の首都」平壌に住んでいるコチェビたちは、当局の目を避けて生きて行かなければならないのだ。(ペク・チャンリョン 平壌居住経験者)

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