基地の中に「街」があらわれた。学校や教会、ショッピングセンターのほか、テニスコートや映画館などの娯楽施設もある。(2018年5月撮影・新聞うずみ火)

◆ 基地内に「街」出現

基地に入ると、新築の集合住宅が整然と並び、学校や教会、ショッピングセンターのほか、テニスコートや映画館などの娯楽施設もある。大きな街がそこにあった。(新聞うずみ火・矢野 宏、栗原佳子)

「滑走路の沖合移設に2500億円、拡張工事と合わせると8000億円もの思いやり予算がつぎ込まれました。私たちの税金です」と、瀬戸内ネット顧問で元県議の久米慶典さん(62)。さらに、1棟の建物を指さし、こう言い添えた。「あの家族住宅の建設費は24億円。44世帯ですから1戸あたり5500万円という計算になります」

艦載機移設に伴い、岩国にやってくる軍人・軍属と家族をあわせると3800人。市内で暮らす米軍関係者は1万人を超え、市の人口の1割近くを占めることになる。

「基地内に建設されたのは760戸。基地に近い高台の愛宕山には262戸の将校用の米軍住宅が整備されています。こちらは1戸当たり7000万~8000万円です」

いつもは軍用機が並ぶ駐機場がピクニックエリアになっており、シートを広げた家族連れやカップルがアメリカンスタイルのピザやステーキなどを食べ、くつろいでいる。

メイン会場には、戦闘機や輸送機、ヘリコプターなどが展示され、大勢の来場者でごった返していた。米兵が戦闘機前に立っていて、若い女性や家族連れの求めに応じて写真に収まっていた。

「かっこいい」「日本を守ってくれているから」

銃を持った米兵に幼い子を抱かせ、カメラを向ける若い父親もいた。

だが 「フレンドシップデーは、私たち岩国市民にとって屈辱の日です」と、「愛宕山を守る会」世話人代表でもある岡村寛さん(74)がつぶやく。

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